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主に創作で活動しています。創作っ子の設定置いたり、拙いお話を書いたりetc

鬱血痕を残して

「ね、今夜2万でどお?」

覗きこむようにして上目遣い、扇情的にじっと見つめてやればほら、落ちた


*


夜の公園のベンチで小憩をとって、今晩稼いだ2枚の諭吉を見ながら明日の晩飯は奮発すっかなーなんてほくそ笑んでいたそのとき

「…二千翔…?こんな夜遅くに何を…?」

間違うはずもない奴の声が聞こえた。こんな夜遅くに…とかお前もだろ、なんて言ってゆっくりお札をバレないように隠してみる。返答は予想通りで研究に時間がかかったのだとか、相変わらず熱心な奴だ

「あんま根を詰めすぎんなよ、じゃー気をつけて帰れな」

以前だったら送って行こうか?とか、次はどんな毒作んの?とか色々話すことがあったけど今夜は何も話したくない。さっと帰ってしまいたかった

「まっ、待ってください…、」

そんな俺の気持ちを無視して奴は俺を引き止めた。パーカーの裾が軽く引っ張られている

何?と視線だけ後ろにやってそのまま淡々と言ってやると、怒ってるとでも思ったのだろうか、肩をびくりと跳ねさせてから伏し目がちに、ぽつりぽつりと語りだした。

「あの、実は知ってたんです、二千翔が何をしていたか、その…すみません…」

頭の芯が冷えていく感覚がした

ンだよ、知ってるなら何してたのかなんて聞かなきゃいいものを

「ふーん…で、あんたはそれを知ってどうしたいわけ?」

「別に、その…」 

「先生にチクる?それとも生徒にバラす?ハハッ、いいぜ別に」

「ちがっ…、そうじゃなくて…!

 貴方が心配なんです…!」

…あーあ、ほんと反吐が出る

決して俺の目を見ようとしないところも、どこか怯えているところも、それで今にも泣きそうな顔をしているところも、何もかもムカつく

いつまでも俯いている奴に腹が立って、振り向いて手首と顎をひっつかんで目を無理やり合わせる


「…それ、どの口が言ってんの?

 今更心配?そんなんいらねーわ」

隠しきれずにどんどん俺の口角が上がっていってるのが分かる

「何?だったら俺を養ってくれるわけ?違うよね?だってあんた、もう俺のことちっとも見てないしさあ…!」

鳴呼、止まらない

「俺のこと見捨てたくせに、…なあ、白夜?」

なんだって、こいつだけは落ちてくれないんだ