🐥

主に創作で活動しています。創作っ子の設定置いたり、拙いお話を書いたりetc

こんな1日


「…なんだこりゃ」

赤軍3年、渡世 二千翔

目が覚めたら女になってた、なんてこと誰が信じるだろうか






いや、でも確かに女になっている。見た目こそ大きな差はないが、なんとなく体が丸みを帯びている

それに、わずかながら胸も、ある…

どうしてこうなったのか…身に覚えがあるとするなら昨日貰ったピンク色をしたいかにも怪しげな薬…ん?薬?

………

自分が大好きな女の子の体になれたんだ、願ったりかなったりじゃないか

でも1つ言わせてほしい


「なんで胸がこんなに小さいんだ…!!!」








学校をサボるわけにもいかないので(とはいっても授業はサボる)とりあえず学校には来た

それに薬をくれた張本人から話も聞きたいしな

まあ羽織りもあるし、バレることはないだろう…


「二千翔先輩、縮みました?」


と思った俺が馬鹿だった


「な、なんのことだよ…!」

「目が泳いでますし、汗すごいですよ。それに心なしか胸も…チッ」

「なあ、ひなちゃん?今舌打ちしたろ」

「気のせいですね。…ってどこ見てるんですか」

「…ッシャア!!ひなちゃんより少しだけど胸でけえ!よかったー!安心し、」

「…あら、首がついててよかったですね」

1秒遅れてたら首飛んでたな、うん、

首傾げて言うなよ、このシュチュエーションだと全然かわいくねえよ

女の子は怒らせるもんじゃねえわ










「きゃあああああ!!」

女の子の悲鳴…!?

つかこの悲鳴って唯亜ちゃんじゃね?

もしかして唯亜ちゃんもあの薬を…!?てことはかなり巨乳になってるんじゃあ…!!

「きゃあああああ!雪稀かっこいい!美男子ですわ!!」

…ん?

『わ、声も低くなってる…』

「男の子の雪稀も素敵ですわ…!!あああなんて麗しい…!お写真撮らせていただいてもよろしくて…?」

『えっ、えーっと…とりあえず落ち着こう?』

「私は落ち着いていますのよ!…って渡世様、いらしたの?」

…ひっでえ








…なるほど、話を聞くにあれは性転換する薬だったみたいだ。

自分が言うのもあれだがなんと非現実的な…

唯亜ちゃんと雪稀さん?邪魔しちゃいけないかなーと思ってそっと離れてきた


「わああああああ!?!?」


…次は誰だよ…

そっと近づいて物陰から見てみると、…んん?あれは陽ちゃんと紅くん、だっけか…?

「兄さんから貰った薬を飲んだらこんな…!!なんで女の子になって…うう…っ」

『まあまあ、似合ってるって!陽は女の子になってもクセっ毛直らないんだね、ふわふわじゃん』

「クセっ毛は気にしてるの…!」

『いいじゃんか!…それにさ、そっちんがお嫁さんぽくていいと思うけどな、僕』

「…なっ、な、な、何言ってるの…!?紅のばかあああああ…!!!」

陽ちゃんは顔真っ赤にして逃げてくし、それを紅くん?は追っかけてるし

なにこれリア充なのか…

まあ何がともあれ犯人に確信は持てた。あとは問い詰めるだけだな









「白夜ああ!!!」

「えっ!?もうバレたんです!?!?」

「あったりまえだろ!はやくこれ解けよ…!」

「…えー…」

渋々言っても無駄だからな。あれ程人で、それも知り合いには試すなって言ったのにこいつ…

「でも人体に影響はありませんから…!!」

「そんな問題じゃないし何で聞こえてんの、エスパー?それと、だったらお前が飲めばいいじゃんか」

「ふふん、二千翔の考えてることくらいお見通しですよ!
…えっ、私が飲むんです…?」

「…お前…自分が飲みたくないもんを何で他人に飲ませてんだよ!」

「いいじゃありませんか…!研究者の性ってやつで…むぐっ!?


…うわ、これ背も縮むし声も変わるんですね…それに髪も長くなって…」

…思ったより冷静でびっくりだよ

「…つか白夜、結構胸あんのな」

「えっ、そうですか…あっ、こんなところ他人に見られたら死んじゃいます…!」

鍵かけやがったよ

しっかしほんとにあの人そっくり…いや、これはこいつが鏡見て気づくまで黙っておこう


『…おい、白夜いるんだろ』

「…!?ゆ、祐斗…!?…でも鍵かけてますし…ってあああ合鍵!」

はあ!?合鍵!?そんなの俺も貰ってねえのに…! 

『…』

ピシャッ

「…あー、解毒薬?貰ったし俺もう行くわ」


まったく散々な1日だったぜ







 *






校舎の一角の保健室、浅く苦しげな呼吸が聞こえる

一人の女の子…否、彼は床にしゃがみ込んで口に紙袋をあてがった

傍らには手鏡

それからは短かった呼吸が徐々に落ち着きを取り戻している

ー…どうして、こんなに、あの人にそっくりな、

そんなのこっちが言いたいよ

「僕より、僕より似ているから

だから僕は愛されなかったのかな


          …ねえ、兄さん、」


僕はずうっと立ち尽くして、ただただ見ていることしかできなかったんだ